『パイレーツ・オブ・カリビアン:デッドマンズ・チェスト』

●今年の夏休み映画興行では多分この作品がトップになるだろう。

●本命合戦はM:i:III日本沈没ゲド戦記、そしてこのパイレーツ・オブ・カリビアンということになるだろうが、映画の取っつきやすさ、デートムービーとしてのエンターティメント性、話題性、敢えて言うなら気軽さ、娯楽性ということでPOCがトップを走るだろう。
もう映画の、エンターティメントの定石、文法をきっちり積み重ねたスキのない脚本。スピード感のある展開、それを観るものに自然に感じさせる編集の巧みさ、カメラワークの凄さ、アップを要所要所にちりばめて緊張感を上げる演出。ジョークたっぷりのストーリー。本当にちょっとイッちゃってるんじゃないの?と思うくらい上手いジョニー・デップの演技、ワイルド感を重ねたら余計に官能的なキーラ・ナイトレィ。昔で言えばインディー・ジョーンズを思わせる有りえないようなびっくりシーンの連続。高レベルなCG。それによって作られたブラック・パール号やデビー・ジョーンズの海賊船のリアル感。悪魔の怪物クラーケンのド迫力。
んー2時間以上の長さが全然気にならないスピード展開。

●この作品はパート2とパート3を同時に撮影していて、来年にはパート3が公開される予定。
映画の製作費を安く抑える為に、第2作、第3作を同時に撮影してしまうという手法が使われたのはマトリックスが記憶に新しいかな?
まあ多分バカ高い役者の出演料を30%以上節約できるということが一番経費節約に貢献するかな?

●ま、来年のパート3も楽しみです。

●でもね、とっても面白かったし、技術もここまで出来るのは最高にお金を使って最高に贅沢に撮影しなければCG加工しなければダメなくらい物凄かったし、笑いもあったし、演技も凄かったけど・・・・・・ラストまで見て・・・・なんか物足りない。
インディー・ジョーンズの時は物凄い「やったぁ!」というような爽快感が観賞後にあった。
でも、POCにそれが無かった。見たな、それで終わったな・・・・というような感じがしたけど、爽快感、気持ち良さ、スカッとしたものが無かった。

●それが、ジェリー・ブラッカイマーの商業映画の限度か?
もちろん第三作への繋ぎというところで映画が終わっているというせいもあるだろうけど・・・・
やはり何かが足りない。なにかが掛けている。
作り過ぎ、あざとさがのこるということだろうか。
映画への本当の情熱が感じられないということなのだろうか・・・・この映画は。