『DOMINO ドミノ』
●トニー・スコットが監督したということも、割と金がかかっているということも、出演者が割と豪華(笑)ということもまるで話題にはならず、話題はキーラ・ナイトレィがちょい汚れ役、セックスシーン、ヌードシーンで出てるってことだけで、ちょいと話しが聞こえてきた程度の映画であった。実際興行は目茶苦茶だったみたいだ。
●キーラ・ナイトレィはハリウッドでも今が旬の女優、パイレーツ・オブ・カリビアンで男勝りでありながらも美形でイイ女の主役食いをしてバーンと注目度が上がったのはいいけれど、どうもジェリー・ブラッカイマーの女好きの囲い込みがミエミエという感じで、監督のオススメ女優ということで、本来の演技力やキャリアを飛び越えて大作、注目作に出演が続いているというのが本当のところであろう。
●実際に美形だしね。でもなんかイギリス生まれなのにヤンキーぽい。はすっぱの下品さがちょいと漂ってる。でもそこがまた良いのかも。
●この映画だが、キーラを主役に持ってきてちょいとHなシーンもいれたというタダそれだけで客を引っ張ろうとしたいかにもハリウッド的な商業主義がミエミエの映画という気がする。
●この女優にHっぽいシーンをちょっとやらせて、そこを宣伝文句にして、あとはそこそこの監督使って、脇役もそこそこ固めておけば興行はある程度見込めるだろう・・・・という邦画にも、洋画にもありがちな計算。
●でもこれだけ酷い映画だと幾ら何でもと言う感じで、流石に興行も大失敗。せめてものリクープの為に二次利用であるDVDセル、レンタルマーケットでは同じくキーラ・ナイトレイとHシーンアリで売り込んでまあまあ成功したという感じか?
●何を隠そう、かくいう自分も「キーラのHシーン」その売り文句にそそのかされて観たわけだ。
●監督のトニースコットは「トップガン」と「スパイゲーム」以外はどうもパッとしない。
●今回のこの作品も完ぺきに雇われ監督、商業監督という感じ、随所に映像的には実験的カットや編集を多用しており、それがトニー・スコットの雇われ監督なりの抵抗というか、自己主張なのかもしれない。(お陰でストーリーは目茶苦茶分かりづらいものとなってしまったようだ)
●映画を観ていれば思った以上に金をかけた撮影をしてるなぁと分かるのだが、殆どそういった金をかけたシーんも無駄遣い、監督のお遊びになってる。
●話しはめちゃくちゃ、やたら悪ぶるキーラは全然役がはまってない。はすっぱヤンキーの雰囲気はあるけれど、ほんとの性悪女とかを演じるような器量も演技力もそもそもの質も彼女にはない。
●例えばLAコンフィデンシャルのキム・ベイシンガーは見事な悪い女を演じているが、あの雰囲気が少しでも演技にあれば・・・・・・。
結局最後までみたらこのドミノは、ファザコン、マザコンのただのバカ女の人迷惑を省みない行動というふうにしか見えない。
●たまにはこういうしょうがない映画も観てみることは必要かも。対比として。
ぴあ映画生活『ドミノ』:http://pia-eigaseikatsu.jp/title/14303/