『海猿 Limit of Love』 

●出だしからなんか分かりづらい映像。そして次はウエディング・ドレスをわざわざ持ってきて彼に見せようとしたら、ホテルのドアがオートロックで閉まっちゃってなんていう、なんじゃこれは?っていう演出、というか脚本。

●ベタにしても程があるでしょ「よくやるよ、こんなストーリー」ともうこっちが気恥ずかしくなるような・・・・・。
参ったって言いたくなる位どっかでみたような、どこにでも転がっているような話し、設定・・・(加藤あいは可愛いとしても)・・・・ダメだこの映画って観始めて直ぐに思った。

●役者の演技がどうにも下手くそ。

加藤あいちゃん、彼氏が生還したシーンでは泣いてるなら涙キチンと流しててよ。というか涙が出なかったらかったら、映像にするなって感じ、あのシーンは。監督の手抜きというか、もうその位いいでしょ。っていい加減さが見える気がする。(ここら辺はアルマゲドンのパクリでもある)

●大塚寧々は顔では立派に演技していて、うまいんだけど、セリフが・・・・・棒読みというか、感情のない上滑りというか。

●しかしベタだ。これだけベタな映画はそうそう簡単にはない。

●鹿児島TVのアナウンサーは邪魔でしかない。彼女が悪いのではないけど、ああゆう使い方は監督というか脚本の質を疑う。この映画の質を低下させる。観ていてうざったい。

●もっと細かな点でのクオリティーをキチンと上げて、雑なところを無くせば一級のエンターティメントムービー足りえた作品だと思うのだけど。充分にお金も掛かっているし、これだけの設定、スケールの話しを単なるお遊びのデートムービーにして、パッと観たらパッとオシマイ、まあ楽しかったからイイか。としてしまうのは、いい映画を作ろうではなく、人と金の入る映画を作ろうという考えから出てきたものであろう。

●衝突事故が思いきり端折られてるからいきなり傾いた船になってる・・・・だから緊迫感がない。

●水没の危機だってのに長々と携帯で睦言しゃべってるなっての。あれだけでちゃんちゃらおかしい。

東京湾では撮影できなかったから場所は九州に設定したんだろうけど。

●ヘリコプターのCG画像で飛び方がめちゃくちゃ。あんなに加藤あいのそばを飛べないだろうに。

●という具合に、話しの骨組みからすれば非常に骨太で、スリルもあり、恋愛もあり、世界に通じるような一級エンターティメント作品になったかもしれないのに、いい加減な作り、客受けを狙った脚本と演出、いままで散々使われたような手垢の付いた演出、そういったものが積み重なり、作品の質はC級以下に堕してしいる。

●最後のほうにはお決まりのお涙頂戴、これまたありふれた泣かせの演出が続くけど、落語みたいなものでわかっちゃいるけどやはり泣けちゃう部分もある。

●まあ、粗を探せばきりがないけど、あまり深く考えず、さらっと中高生、大学生、なんかライトに映画でデートしたいというようなタイプにはぴったりハマル映画ではあろう。

●そういう意味では非常に巧くやってるし、映画館という空間で単純に娯楽として楽しむというのであれば90点上げてもいいかな?

●映画としてはダメでも、エンターティメントとしては的を得ているということにはなる?そういう映画は好きではないが。

海猿LIMIT OF LOVE HP:http://www.umizaru.jp/umizaru2/

海猿 羽住英一、加藤あいインタビュー:http://www.at-s.com/html/cinema/umizaru/umizaru.html

羽住英一インタビュー:http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20080627/1016150/