『桐島、部活やめるってよ』

・やはりこれは現代版「櫻の園」という感じだな。それも女子だけではなく、男子も含めた。

・「櫻の園」をイイ意味で真似た。コピーしたー映画という感じがアリアリなのだ、だがモノマネしただけではなく、技術的な面や登場人物男女の口には出さない感情を巧く映像で伝えようとする部分がなかなかいい。

・「櫻の園」をベースにしてそれを監督なりに咀嚼、消化して現代風に上手に変更し、昇華させている。だからこれは単なるモノ真似ではなく、高品位なオマージュと言える。

・悪くはない。しかし、決定的に言えることは、だらだらしていて詰まらないということ。じっくりと恋愛お伽話に浸りたい、ぼんやりとした世界の中にぼ〜っと漂って感傷に浸っていたいという向きにはいいかもしれないが、映画としての面白さはない。映画ヲタが「あそこがいい、これがいい」と仲間内で議論しあう、狭い範囲の仲間だけで自己満足して楽しむような映画。そういう人向きの映画。

・映画自体かなりヲタな内容を入れているし。

・ゴメンってセリフが多発・・・というか最近の映画、高校生とか若いのを扱った映画ではこのゴメンが多発しすぎてる。なんにつけゴメン、ゴメンと大して謝る気持ちもないのにゴメンと言ってる、そういうセリフを書いている。おかしくないか?

大後寿々花がイイな。この娘は本当の女優になるだろう。

・これが2012年の日本アカデミー賞で最優秀作品賞をとったというのは、単に映画ヲタな選考者たちが映画ヲタな映画にマニアックな映画ヲタ魂を刺激されてヨシヨシと言った結果によるものだろう。