『ファンボーイズ』(2008)

●かなりコアなネタがいっぱいなので、ファンは楽しめる。所々でてくるSWカルト質問は身を乗り出して答えを考えたがよっぽどじゃないとこれは分からないだろう。

●ストーリーははっきり言ってお粗末。定番ロードムービーにしているけれど、ラスベガスだなんだと横道にそれるのも興を削ぐ。ロードムービーというのは目的地に近付くまでに苦労、困難を乗り越えてやっと到着という達成感があるものだが、このストーリーの中の困難は困難じゃなくておちゃらけおべんちゃらでしかないから苦労しているようには感じない。

●青春ものか?と思ったがそれとも違う。下ネタ、同性愛ネタなども入れているが、その手のブラックジョークが作品の話にしっくり馴染んでいない。ようするにエピソード一つ々がポストイット状態。ルーカス・フィルムに辿り着くまでにエピソードが積み重なって話を盛り上げる形になっていない。

●余命あと少ししかないって友だちが、まるでそんな気配感じないほど元気だし。ほんとうにこの男の最後の望みを叶えるために友だちは頑張ってんの? と突っ込み入れたくなる。別に病気で余命僅かの友だちの為なんて、話にしなくても友だち同士が共通の夢に向かって頑張るっていうストーリーで良かっただろう。

●EP1が公開前なのにジャージャー・ビンクスやダース・モールが出てくるってのは予告編からの情報なのか?でも話がこんがらがるなこれは。

●ラストで「駄作だったらどうする」ってセリフには笑えた。これを最後に言わせるというのは本当にスター・ウォーズのコアコアなファンしか出来まい。

スター・ウォーズのファンなら観ておくべき一作であろうが、話は正直言ってまったく詰まらない。