『PARTY7』(2000)

●なんだか、ものすごくツマラナイ。このコメディーに全然笑えない。まったく可笑しくない。ギャグにもなってないって気がする。なんでこんなにツマラナイのだろう。

堅苦しい作品ばかり観続けていたから少し頭を柔らかくするようなものでも、と思って久しぶりに観たのだが、こんなにもツマラナかったっけ? と驚く。

●初めて観たときは、このヘンテコなノリ、ノリだけで作ったような映画、テキトー過ぎる話に「こういうのも新しくていいね、なんだか軽くていい加減でどうでもいいかんじが好きだ」なんて思っていて、割と気に入ってたと思うのだけど、今見返したら、ギャグのセンスも、ストーリのコメディーの部分も、途中に入るアニメも・・・妙に陳腐なツマラナイものに見えてしまった。

●2000年当時はこの作品が新しいセンス、今までの映画に無い感覚だなぁなんて思って感心していたのだけれど、今となってはもう古臭いものであり、なんら面白みも感じない作品になってしまっていた。それはもちろん作品が変化したのではなく、世の中のセンスや映画のセンス、そして自分、自分を取り巻く状況が変化し、沢山の新しい映画が生まれたことによって、この作品がどんどんどんどん、今から遠ざかっていってしまったからなのだろう。

●それにしても・・・こんなに印象が変わるとは・・・。

●時代が変わろうとも、どれだけ年月が流れようとも、いつでも新鮮であり、いつでも感動を呼ぶ作品もある。時代の流のなかで全く色褪せない作品もある。それが本当の名作。この作品はなんだかすっかり後退して色褪せてしまったかのように思えた。

●10年前のTVのコント番組やギャグ、バラエティーを観ても全然笑えず「昔はこんなのが面白かったんだよなぁ」と思う、そんな感覚を久しぶりに観たPARTY7で痛烈に味わってしまった。

●作品はかわらないけれど、世の中も観る人もどんどん変わっていく、自分自身も。

●DVD化されたとき凄い売れたという記憶があるけど、それってジャケットの小林明美 のエロチックなビキニの写真が刺激的だったからだろうなぁ。確かに、このジャケットの小林明美 の写真はイヤらしさあり、エロちっくであり、刺激的であり魅力的である。

●頭を柔らかくしようと思ったら、却って頭が重くなったかも・・・・ノレないギャグに疲れた感じ。

石井克人  小林明美