『リトル・ミス・サンシャイン』

●2007年のアカデミー賞脚本賞が「ジュノ」で、翌2008年のアカデミー賞脚本賞がこの「リトル・ミス・サンシャイン」・・・二年続けて日本で言えば単館系と類される小振りな作品に脚本賞が与えられている。「ジュノ」も「リトル・ミス・サンシャイン」も話の中心は少女(年齢も、ストーリーも全く違うが)

●二年続きで同系列、同系色の作品に脚本賞を与えているというのも不思議・・・というか疑問。二年続けてフォックス・サーチライトの作品・・・・? なにかあるんじゃない?と勘ぐってしまう。

●この映画も『ジュノ』同様、なかなか上手く行かない家族のことをちょっとシニカルに描いていて、笑えるけど考えさせられる、ちょと重たくもある。

●結局この映画は主人公は少女ではなく、父親も、息子も、奥さんの兄も、おじいさんも、全員なのだ。(奥さんはそんなに問題を抱えてないのが変だが)

●みんなこんなふうに苦労して苦しんで、物事なんか全然うまくいなかくて、それでも頑張って生きているんだよ!そういうことを言いたいのだろうか?

●いずれにしてもアカデミー賞脚本賞を獲るようなストーリーには思えない。脚本の妙があるわけでもない。破綻はしていないが、これといって煌めきもない。それは「ジュノ」も同じ。

脚本賞はもっと「!!!」と息を飲んで、言葉を失うほどの物凄いプロット、驚きをもった脚本に授与すべきだと思うのだ。

●おじいちゃんに仕込まれた振り付けというのがまさかあれだとは・・・そこんところは驚いたし、ちょっと面白かったけど。無理にこの映画からあれやこれや意味を拾い上げるという気にはなれない。

●家でちょっとみて、ふーんと思うくらいにはいい作品ではあるが・・・・映画である必要もないのではないだろうか? これ。