『バイオハザード III』

●重苦しい映画を続けて観ていると、お気楽なアクション映画でも観たいと思うようになる。お気楽の条件としては尺が1時間半、日本語吹き替えがあること、あまりこねくり回したストーリーではないこと等。

●「バイオ・ハザード3」はお気楽の条件にぴったりだ。これは肩肘張らずソファーに寝転がってダラリと観ることの出来る映画。やはりこういうのも必要だなと思う。純粋に娯楽というのであればこういう映画が一番であろう。後に何も残らないのだけれど・・・。

●今回のミラ・ジョボビッチは顔つきが柔らかくなり、今までの荒くれ女というイメージよりも美人に撮られている。1,2よりも3のミラのほうが女性としては格段に良い感じだ。アクションも1,2と鍛錬され、練り上げられてきたのでなかなか。ただ、どのアクションシーンもワンショットの短いシーンばかり。バサっと瞬間芸的にカッコいいアクションをしているが、連続性が無い。短いアクションだから映像としての迫力には欠ける。この辺りは役者、監督、演出の総合技としては器の小ささを露見させているか?

●ゲームオタ、アニメオタは美人キャラが好きなのだから(男はみんなそうであるが)お約束といえるほどに、登場する女性はどれもこれもスタイル抜群の美しい女性ばかり。しかもゾンビだらけの世界で砂漠の中だというのに、全員がボンデージファッション。これには笑ってしまう。まあこういう映画にリアリズムを求めるわけでもないけれど。今回はチョイ役から子供役まで女性はみんな綺麗どころを外すことなく集めているねぇ。余り活躍しているような女優ではなく、知らない人ばかりだけれど、それでもこれだけ綺麗どころが集まるのだから大したものだ。

●個人的には「バイオハザード II 」でジルを演じていたシエンナ・ギロリーに注目していた。プロモのビジュアルを見た時に「お、これはカッコいいな、ミラを食ってしまうんじゃないのかな?」などと思っていたのだが、流石に主役を食うほどの役ではなかったし、映画の中では思ったより目立たなかった。

●ストーリーは至極単純。1,2と観てきて3はもう予想の範囲内という感じ。でもごろごろ転がる沢山のアリスの死体や、アリスが急に超能力者になったようで(笑)炎をコントロールしてアンデッド化したカラスの大群をガがーっと焼き払うシーンなど、所々ふーんなかなかだねと思わせるシーンはある。

●ゲームファンやオタク系の男を劇場に引き込むようなキャスティングで持っているような映画かもしれないが、あんまり深いことを考えずに観るという分にはこれは適作である。

●劇場はまあヒットもそこそこ、これはセルよりもレンタルで高回転する作品。レンタルだとこういう作品は強い。今回の第三作でお話に結論が出るのかな?と思っていたが、まだ次を続けるであろうラストだった。スタジオとしてもドル箱とまではいかないが、そこそこ手堅い動員が見込め、ソフト化での回収で大コケすることはない作品であるから今後も作り続けるのだろう。ずっとやっていればB級映画のシリーズとして面白いかも。13日の金曜日のように固定ファンも出てくるかもしれない。

●それなりという感じで面白い一作。

●劇場公開時のポスターのコピーが「アリス砂漠に死す」・・・・全然嘘っぱち。内容なんかお構いなしの酷いコピーである。