『ライフ・オン・ザ・ロングボード』

●ありきたりなストーリーをあちこちから集めてきたような作品。ストーリーの本筋はイイ感じのものを持っているので期待した部分もあるのだけれど、余りに話しがなってない。テレビドラマでもここまで類型的なエピソードを寄せ集めるということははないと思うのだが。

●役の実年齢にも近い大杉漣が一人、イマイチなオヤジを頑張って演じているのが気の毒に思えるほどである。いくら頑張ってもこのストーリーでは・・・・・悲しいね。

●6月に種子島に行った。その時は南種町にしか居なかったが、本当に美しい島だった。もっと南の奄美や沖縄のような熱帯という感じではなく、暑さもそれほどジリジリとしたものではなく、いつも吹いている風が心地よかった。

●「秒速3センチメートル」では、宇宙開発センターからロケットが打ち上げられる時の映像が幻想的な位にキレイで、心に残った。宿泊した宿では「秒速3センチメートル」を観て、ここに来てみた、というカップルが居たという。確かに、ロケットの打ち上げは自分も見てみたいと思う。(打ち上げ時は関係会社やマスコミが大挙してやってくるから宿を押えられないということだったが)

●『ライフ・オン・ザ・ロングボード』もちょっとは種子島の自然を描いているけれど、もっともっと美しい風景が沢山あったよ。映画の中のサーフィンや砂浜のシーンは新島で撮っても似たようなものじゃない?という感じだったし。もっと種子島の美しさを映像に取り込んで欲しかったと思う。

●55歳で定年、早期退職して、それまでの人生が会社に奉仕することばかりで、自分は何をしてきたんだろうと今までの人生を振り返る。妻は病死し、娘とはギクシャクした関係が続いている。仕事がなくなって明日からどうして生きていこうと呆然とする中で、サーフィンをしようと種子島に渡る・・・・良い話しになりそうな感じの素材なのに、こんな映画になってしまったのは、脚本と監督の考えの浅さだろう、