『スタンド・アップ』 

●原題の「North Country」を「スタンド・アップ」に日本で変えたのはなかなか。原題より上を行く邦題だ(英語ではあるが)

●最初の一時間は胸が苦しくなるような酷い状況を映した映画。もう嫌になるというほどの、酷い嫌がらせ、生活状況、生まれてからの不幸、諸々。

●法廷のシーンは途中途中にインサートされる手法で、最後は全て法廷闘争に絞って話しをヒートアップさせるが・・・ちょっとお決まりのパターンか?

●シャリーズ・セロンが痛々しい(モンスターもそうであった)。何故にこんな役ばかりを続けるのだろうか?

●もしこれを日本で置き換えたら、日本の役者がやっている日本での差別だとかセクハラの映画だったら・・・キツ過ぎて見れないかも。そういう内容の映画に手を上げる会社も出資者もいないかもしれない。その位ヘビーだ。

●女性監督でなければ、これだけのものは描けなかったか? 男性監督であったらどうなっていたか?

●ありがちなラストシーンであるが、遂に一人ひとりがスタンド・アップするシーンは感動的。

●現代版「ノーマレイ」であり、ウーマンリブ運動の現代版セクハラ訴訟である。

●この映画の事件が起きたのはほんの10年程前のことである。今のアメリカではまだまだ同じような状況がきっとあるのだろう、そして日本も・・・。

●やはりハリウッド。随所にこれは金がかかっているなというカットが入る。邦画だったら、こんなところでこんな空からの撮影なんて絶対出来ない、やらない、無用に金がかかるだけ・・・・なのに、極普通の風景を入れるような場所でも凝った絵を取っている。ラストの走り去る車を追いかけるショットも、うーん、いいなぁこんなところでこんな撮影が出来てと羨ましくなる。