『インストール』 

芥川賞と一人の人気女優だけでそこそこ当てようとした映画?

●綿谷りさが芥川賞を史上最年少で受賞したときはそのルックスの可愛らしいさに結構騒がれていたけど、映画会社としてはここぞとばかりに話題のあるうちに映画にして一もうけしちまえ的に映画を作ったと言う感じ。

芥川賞、作家の可愛らしさ、メディアの取上げ方、話題のあるうちに効果便乗型で物事を進めても・・・・・芯が通って無いよ。

●原作の話題性に+してキャストは上戸彩! 今一番旬の女優(アイドル)を使う辺りは目ざとい。役柄のイメージにも合っている。人気ナンバーワンの女の子だからそれだけである程度の客の動員は見込める。ソフト化しても売り文句は充分だからそこそこは売れる。という考え。

●実際の映画は実に出演者が少なく、実質上戸彩と小学生役の神木隆之介だけの映画。ちょんちょんと出演している役者には菊川怜などのちょっと目立つ女優、男優もいるが、殆どちょい役だから出演料は非常に安く上げているはず。そういうスパイスでなんとか豪華さをだそうとしているけれど、本編の殆どが上戸と神木の二人だけのシーンであり、しかも上戸のわざとらしい演技は相当鼻に付く。(あずみの時はいい感じに嵌まってたんだけどれど)ロケも実質マンションの一室とその周辺の風景だけだ。上戸が妄想の世界に入っているところは少し金も掛かっているだろうけど、それもちょっと。で、話しはもう眠くなるほどつまらなく、テーマも見えず、何をこの映画で表現しようとしているかも見えず(女子高生の憂鬱か?)どうしょうもないテレビドラマ以下という感じである。んー映画の技術としても、作品の内容としても何一つ感銘を受けるところはなかった。

●最終的には史上最年少の芥川賞作家の作品、作家はちょい可愛い、メディアで話題にもなった、一人人気女優を使ってそのキャラで客を引こう。キャストはなるべく減らして製作費は抑える。でもみすぼらしくなるといけないから脇役にもちょっと有名な役者、顔と名前のしれている役者を持ってこよう、でもギャラが高くなるからちょっとだけ出てもらって、役者が豪華なように誤魔化し、出演料は極力ミニマムで抑える。撮影場所も限定し、ロケの場所も極力減らしてこれも製作費を抑えよう。後は原作の話題性と上戸彩で客を動員して製作費は確実にリクープしよう。・・・・・・と、そういう魂胆がミエミエするような映画だ。

●映画としてのポリシーも主張もなにも感じない。

●劇場はボロボロにコケたけどこれも二次利用でレンタルマーケットではそこそこ回収出来たかな?という程度の映画かな。

インストール 神木隆之介インタビュー:http://ent2.excite.co.jp/cinema/interview/install/interview.html