『ワンダーウーマン』

●どうにも「スーパーガール」とか「キャット・ウーマン」とか女性主人公のアメコミ映画はなんかいまひとつという印象があって、アメリカで大大ヒットということだが、ホント? どうなるかな? とちょっと疑いの目を向けつつ観た。しかし予想を超える面白さで、これはなかなかに良かったね。

●時代背景が第一次世界大戦の頃というので、うっそ、あんな格好したワンダーウーマンがそんなところに入ってきたら、メチャ違和感バリバリで、もう全然合わないでしょう・・・という予想もしっかりひっくり返された。あのアマゾネスの格好をしてドイツとイギリスの戦闘シーンにとびこんできても、まったく変な感じがせず見ることが出来た。

●映画の作りが非常に巧いね。

●正直なところ、このワンダーウーマンの役をキャプテン・アメリカやマイティー・ソーに置き換えたら、まあそれはそれで通用する似たような映画になるだろうなとは思った。ピョンピョン飛び跳ねて盾で銃撃よけて、もの凄い力で戦車をひっくりかえすなんて、そのまんまキャプテン・アメリカとかマイティー・ソーでやりそうな映像だ。だが、だがだ。そうは思うもののやはりガル・ガドットが演じるワンダーウーマン銃火器をはね除け、戦車だろうが悪魔だろうがぶっ飛ばされようがなにしようが再び起き上がって戦うシーンは、それが女性ということもあるだろうが、キャプテン・アメリカやマイティー・ソーが同じことをするよりもはるかにワクワクするし、ようしヤッターという気持ちになる。

●同じシーンを演じたとしても、ワンダーウーマンがやるほうがきっと胸躍るのだ。実際そうだった。

ガル・ガドットはもう三十路過ぎてるから、たしかに美人だけれど、アップになるとちょっとオバサンが入ってるのは否めない。でもそのくらいのほうがリアリティーが出るというものかな。キャピキャピとしたアイドルチックな女性が演じてたらこのワンダーウーマンの魅力はでなかっただろうし。

●脚本も設定もいかにもという感じで定番中の定番、アメコミらしい展開。だがそれが王道でもあるだろう。中盤ちょっとまだるっこしいところはあったが、ワンダーウーマンが戦うシーンは満点をやってもいいくらいワクワクしたし、応援したくなる巧い作りだった。

●相手役の男性がいまいちパッとしないところもワンダーウーマンを際立たせるには役立っていたか。それにしても最近は飛行機でバーンというケリの付け方が多いな。昔は高いところからドーンと落とすが定番だったけど。

●なんだか日本のプロモーションが乃木坂46のへんな曲つかったりして、また馬鹿らしいことやってて非難浴びてたり。日本版のポスターや予告編なども、ちょっとギャグっぽいおふざけ方向に振っていて、どれもこれもダメダメじゃんという感じ。アメリカで大ヒットなのに日本での出だしがイマイチなのは、プロモーションが下手クソな上に方向を間違ってるとしか言えまい。なんとかウケ狙いで客をよぼうとしてるんだろうが、それが大いに逆引き。
アニオタとかに客層考えてこんな絵柄とコピーにしたのかね。日本版の予告編もそうだけど・・・作った連中はこの映画ホントにちゃんと見てるのかねと言いたくなる。

●かなり真面目にカチッと作ってあるし、ワンダーウーマンという女性がかなりカッコイイんだから、おふざけウケ狙いの馬鹿げたトンチンカンプロモーションなんかせず。(実際に大失敗だとおもわれ)こんなポスターのように、超カッコイイ、女性キャラクターとして宣伝すればもっと違う結果になっていただろう。
[:W310][:W310]