『ハナミズキ』(2010)

新垣結衣はすっと立っていると、真正面からカメラに映っていると、実に端正で整った顔でお人形のようで、まさに美形なのだが・・・なんで、出る映画、出る映画こんなのばっかりなんだろ? 変な監督と妙な脚本家とアホなプロデューサーにものすごく好かれる、そういう類の人を引き寄せる特別な魅力があるということなのだろうか・・・って、そんな風に思えてしまうよなぁ。

・いやはや、マジでこれって『恋空』の続編かよってもんで、もうトホホ。設定があまりにもあまりに類型的でお決まりで、手垢ベトベトで、オイオイと言いたくなる。もう笑ってしまうようなとんでもなさ。いや数十年前のお昼のメロドラマとかってこんな感じだったのかも?それを復活させたのか? 

・9.11に関することも「あんとき、ここで見てたんだよね」でオシマイかよ。こんな映画に9.11が絡まされたんじゃあの大惨事をただ小ネタにしてるとしか思えない。あの事件のことなんか丸で考えてない、ただ言葉を挟んでおきましたってだけ。あの惨事に対しても不謹慎、不道徳としか言えまい。

・その上今度は戦場カメラマン、フォトジャーナリストなんてものを引っ張り出してきて「命かけてるんだよ」の押し売りか? 戦地の子供を大写しにした写真を背景に新垣がしゃべっている姿なんて、オイオイ、更に人道主義や平和主義までこんな映画の出汁に使うのかと憤り。 

・もう9.11やら戦争ジャーナリストや、戦時下の子供の写真やらを次から次へと出してくるのを観ていたらメチャムカツイてきた、こいつら、この映画作った輩って最悪最低だなと。

・で、この映画はなんなんだ!と言うなら、全編にわたって超偽善の似非人道主義と純愛?の皮を被せた、スカスカ軽薄・短小、短絡、偽善、偽愛の月9ドラマ・・・ってとこか?

・脚本:吉田紀子・・・『Dr.コトー診療所』のときは、おお、なかなか凄いな、上手い!と思ったのだが、それ以降は????だ。この映画に関してはもうバツバツバツの3乗。どうしてここまでご都合主義でいいかげんで、テキトーな脚本を書けるのか、読み返してみておかしいって思わないのか? まあ、監督やプロデューサにさんざん弄られ、こうしたほうが受ける、こうしたほうが人が入るとグシャグシャにされたのかもしれないが、いやそれにしてもなんだこのお話は。
・監督:土井 裕泰・・・まあ、TVの人だからってことで納得か?

・最近変なことばっかやってる一青窈だが、この映画を観たら、自分が9.11のことを思って思って考えて考えて描き上げた私の曲が、こんなトンデモ映画に使われちゃってる。。。トホホ・・・てな感じでいるかもしれん。w